対自核

セラピーの一環としての自分語り

思い出

嘱託講師と吉村昭(後編)

ある日、講義が終わり遅刻子女と一緒に帰ることになった。偶然、担当講師も一緒に なり同じ電車に乗り合わせるという事態になった。毎晩夜遅くまで遊び惚けていた 僕は眠くて講義など朦朧としていたものだが、ある時、講師の好きな作家が吉村昭で あること、…

嘱託講師と吉村昭(前編)

20代が始まったころ、僕は公務員になった。そんな年齢では、まだ世の中のことが 何もわかっていない。しかし根拠の無い自信だけはあるという、とんでもない若造 だった。 まず最初に県庁に行き、そこから配属が決まった庁舎へと割り振られる。 何も知らない…