対自核

セラピーの一環としての自分語り

不思議体験(前編)長くなったので2回に分けます

 子供のころからけっこう不思議系というかオカルト系大好き人間だった。
10歳のころには心霊写真集を買い揃えてしまっていた。二見書房から、故・中岡俊哉先生の「恐怖の心霊写真集」シリーズが出ていて、新刊が出るとすぐに入手するという、ちょっと変わった小学生だった。ほかの子たちが漫画を読んでいる横で、心霊写真を見る小学生は自分でもおかしいとは思うが、好きだから仕方ない。

友達に、これはおもしろいからぜひ、と勧めても気味悪がられるだけだった。しかし同好の志というものはどこにでもいるもので、ごく少数の精鋭たちで日夜、研究(?)に励んでいた。

 また、小さいころからたまにだが何か得体の知れないようなものは見ていた。
裏口の窓に人影が横切るのを見てすぐにドアを開けても誰もいなかったりといった体験はけっこうあったように思う。もちろん幻視のたぐいがほとんどだったと思うが、不思議だな・・・くらいにしか思っていなかった。怖いとか気味が悪いといった感情はまったく無かった。
このころからどうもネジがトンでいるというか、おかしかったのかもしれない。

ところで、こういうオカルト系は、全く信じないいわゆる否定派と、ビリーバーと言われる完全肯定派に二分されると思われがちだが、自分はどちらでもなかった。

ただ、いろんなエピソードを読むにつれ、「こんな面白いことはそうは無い」といったスタンスで楽しんでいたと
思う。そしてその立ち位置は今でも変わっていない。

 成人して就職した後に、某デパートで同僚と一緒に霊体を見たこともある。これは自分以外の人間と一緒に目撃したので、自分の中ではかなりわかりやすい例だと思っている。

デパートの休店日にメンテナンスに入る仕事を当時していて、その日も同僚と一緒に仕事をしていた。休店日のデパートというのは、少数の業者がところどころいるくらいで、店内も真っ暗に近く、かなり雰囲気がある。新人がマネキンを見てビビるのがおもしろくて、わざとマネキンが置いてある売り場を担当させて笑っていたりした。

事件は地下1階の業者用エレベーターで起こった。いわゆるバックヤードと呼ばれる業者専用のスペースで、いろいろなものを搬入できるようかなり大きなエレベーターがある。
そこで同僚と上階に行くため、ボタンを押してエレベーターが降りてくるのを待っていた。
ほとんどお子様の所業なのだが、エレベーターの扉の前20センチくらいに立ち、扉が開いたらすぐに乗り込んでやろうとしていた。その行為自体には何の意味も無いのだが、バカだから仕方ない。

そしてエレベーターがやってきた。