対自核

セラピーの一環としての自分語り

孤独な闘い

 巻き爪なんである。もう数十年、一定の期間をおいて右足親指の左側の爪が

食い込んでしまい、歩くのも困難なくらい痛いという悲劇が訪れるのだ。

 

 当然、矯正するビョーインに行けと言われるのだが断る。断固お断りなんである。

僕は子供のころにわりと本格的な手術を経験しているので、外科的な処置なんてぇの

はもういてもたっても居られないくらい嫌いで、ビョーインで「処置室」なる部屋の

プレートを見ただけで逃げたしたくなるのだ。

 

 要は爪の切り方が下手なのだ(巻き爪の切り方というものがあるのだ。先端は

まっすぐ切れとかいろいろめんどくさいのだ)。

いたって問題なく、痛くも痒くもない時に、油断して普通の爪と同じような切り方を

してしまうと、しばらくして爪が指に食い込んでいってしまい、指をどこかにぶつけ

ようものなら、のたうちまわるくらい痛い。

 

もちろん、そのままっていうわけにはいかない。

で、自分でなんとかするのだが、これがまた気が遠くなるほど痛いんですわ。

そんなになるまでなんで放置してるの?と至極当然な意見もおありだと思うんですが、

痛くなるまで気が付かないんだなこれが.....。

 

用意するものは、消毒液、ティッシュペーパー数枚、金属製耳かき、巻き爪専用の

爪切り、といったところ。

 

まず、巻き爪専用爪切りである程度カットしていくのだが、すでにもう痛い。

いったいどういう状況になっているのかというと、テキトーにカットした爪が、

矢じりのように足指に突き刺さっているような状態、と言えばお分かりになられる

だろうか。わかんないでしょうねえ....。

 

それを除去する処理をするだけと言えばそれまでなんだが、覚悟完了までけっこう

かかったりする。やはり相当痛いのだ。

 

爪の残党が巻き込んでしまっているため、表からはもう見えない。足指の端っこ

奥深くに潜航してしまっているのだ。

そこで金属製の耳かきの登場となるわけだが、これを爪の外側から突っ込んで、

刺さっている残党爪を引き出すのだ・・・がこの時一瞬気が遠くなる。もう足の

ほうも痛いというより痺れてる感覚に近いす。

 

首尾よくいけば、表に出てくるので、そこを爪切りで切る・・・のはちょっと無理なの

で、引きちぎるカンジ。これも相当痛い。

が、だいたい首尾よくなどいかないもので、残党の残党が逃げ込んだまま2,3日籠城

といった状況になることが多い。

 

爪に耳かき突っ込んでひとりのたうってる、そんな間抜けな姿を家族にも見られたく

ないので、ひとり深夜にうめいたり気が遠くなったりしてるのだ。

 

自分で痛い目に遭うのは自業自得だし、自分で行っていることなので諦めもつくと

いうものだが、これを初めて会った医者にやられるのはどうもね。

まあ、医者はそれが仕事なんだけど。

 

今回も無事、数日間に渡る闘いを制しまして、今、余韻にひたっているところで

あります。消毒はしっかりしておかないと、このあと膿まくるんで注意なのだ。